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Crying Red Ogre

はじめまして、赤鬼と申します。

鬼といえばみなさんは恐ろしいイメージを
持たれると思いますが、
私は少し違います。
決して人に危害を加えたりは
いたしません。

私は人間と仲良くなりたかったからです。
変わり者だと思われるでしょう。
しかしそれが私の夢だったのです。

そしていつしかその夢も叶い、
近隣の人々と仲良くさせていただいております。


そう、私の一番大切な友達のおかげで。
心優しい鬼が住んでおります。
人間の皆様、是非お立ち寄り下さい。
美味しいお菓子やお茶をご用意しております。

人間と仲良くするには
まず自分のことを良く知ってもらおうと思いました。
この恐ろしい外見のせいで
皆逃げていってしまう。
自分は人間に仇をなす存在ではないと
知って欲しかったのです。
自分の家に看板を立て
私は来客を待ちました。

しかし、誰も来ませんでした。
「鬼はああやって人を誘って食ってしまう。」
人々はそう噂しました。
私は人を食ったことなど一度もないのに。

何故解ってくれないのだろうか?
そうやって落ち込んでいると
親友の青鬼が尋ねて来ました。
私はお茶とお菓子、
そう人間に食べてもらおうとおもっていたものを
彼に出し、一部始終を話しました。
彼は私の話を静かに聴いていました。

「大丈夫だよ赤鬼君。人間もいつか君の事を理解してくれるよ」
私が話を終えると青鬼は優しい目をしながら
そう言ってくれました。
気休めだとしても私は嬉しく思いました。
そして次こそはと、奮い立ちました。

次の日家で次の作戦を練っていると、
村の方から叫び声が聞えてきます。
「鬼だ!鬼が暴れているぞ!!」
大変だ!私は家を飛び出し村へ走りました。

私は目を疑いました。
村へ着いて目にしたものはあの青鬼でした。
普段の彼からは想像もできないような
憤怒の形相で、家々を壊し
田畑を荒らしている。
何が起こっているのか理解できない。
しかし止めないと!
そう思って暴れる青鬼に飛びつき押さえつけた。
「いったいどしたんだい!?」
きっと何か事情があるに違いない。
そう思った私は彼に問いかけました。しかし

「鬼の癖に人間と仲良くしたいだと!?
 貴様のような奴は腹が立つんだよ!
 だから二度とそんなバカなことを考えないように
 人間どもを殺しに来たのさ!!」

気がつけば私は彼を殴っていました。
そのときの感情が怒りだったのか
それとも悲しみだったのかはわかりません。
ひたすら彼を殴り続けました。
何度も、何度も。

「くそ!忌々しい赤鬼め!」
何度殴った後だろうか。
そう言って青鬼は物凄い力で私を振り払い
山へ逃げていったのでした。

残された私はただ呆然としていました。
ここで何が起こっていたのか
自分が何をしていたのか
何も考えることができませんでした。
そうやってただ青鬼が逃げた方向を見つめていると
一人の、人間の子供が近づいてきました。
「赤鬼さん、ありがとう」
すると人々は次々と私に感謝の言葉を投げかけてきました。
ありがとう、あんたのおかげで村が救われた。
ありがとう、ありがとう。
私は遂に受け入れられたのです。



私はそれから壊れた家や田畑の修復を手伝いながら
人間との親睦を深めていきました。
今まですんでいた山の庵をすて村へ降り
家と畑ももらいました。
人々と仲良く幸せな日々を送る、
私の夢は叶ったのです。

しかし、どうしても頭から離れないことがありました。
青鬼はどうしているんだろうか・・・
もう一度彼に会って話がしたい。
私は青鬼の家を訪ねました
果たして会ってくれるだろうか。
しばらく戸の前で考え込む。
このまま帰ってしまおうとも思いましたが、
意を決して声を掛けました。
しかし返事はありません。
戸をあけようとしても固く閉ざされたままです。
やはり会ってはくれないか。

ふと足元に目を遣ると
戸に紙片が挟まっているのが目に入りました。
手にとって見るとそれは私宛の手紙でした。

「赤鬼君へ
 人間たちと仲良く暮らしていますか?
 これからも真面目に楽しく暮らしてください。
 
 きっと優しい君の事だから心配して
 僕を訪ねてくることでしょう。
 しかしもしそれを人間に見られたら
 君の事を悪い鬼の仲間だと思うかもしれません。
 だから僕はこのまま旅にでます。
 別れの言葉もなしに去ることを
 許してください。

 それと酷いことを言ってごめんなさい。
 僕はずっと君の幸せを祈っています。

 さようなら           青鬼より」

赤鬼は黙って手紙を読みました。
何度も、何度も

そして地面に崩れ落ち
顔をくしゃくしゃにして
いつまでも、いつまでも
泣き続けました。




童話「泣いた赤鬼」より

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